心をすくう優しい場所をつくる
私はこれまで衰退する集落や貧民街の研究を行ってきました。過疎地域の喫茶店で暖かく私をもてなしてくれた店主と犬。会計を済ませて店を出た後振り返ると、うなだれる店主に犬が寄り添って座っている風景。このような地域に、他の地域の人々が足を運ぶきっかけを建物などを通してつくっていきたいです。
実家を手放す際は「おうちさよなら会」という建築のお葬式を催しました。父が設計した家を手放すのはとても悲しかったです。愛する母を亡くし、家も手放すことになり、父も私も落ち込んでいました。引っ越しの直前に父が大事にしていた庭木で、次の生活の場に希望の光をもたらす草木染のカーテンを大勢で制作する会を開き、にぎやかに家での生活に幕を下ろしました。
こころが救われるような、ほっこりしたりクスっと笑ってしまうようなデザインを目指しています。